米ナスダックが史上最高値に迫るも、不安と懸念残る
- sigma tokyo
- 6月18日
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足元の米株は落ち着いた動きとなっており、ハイテク株主体のナスダック総合指数は、史上最高値水準に迫っている。しかしながら、投資家の不安と懸念は払拭されたとは言い難い状態にある。
トランプ米大統領が「解放の日」と呼ぶ4月の関税政策公表以降、その政策追及度合いが弱まり、一部の国とは新たな関税合意を結ぶなど強行路線から撤退しているように映る。加えて、直近で公表されている米インフレ指標の内容が落ち着きを見せていることも、足元の米株にはプラス材料となっている。
イスラエルとイランの紛争にも、株価はさほど悪影響を受けてはない。
現物市場では比較的落ち着いた動きとなっている一方で、デリバティブ(金融派生商品)では、年後半の大きな下げに備えた動きが顕著で、債券市場では、35兆ドルに膨れ上がった米連邦債務を危惧した動きになっている。
バンク・オブ・アメリカの金利ストラテジスト、ラルフ・アクセル氏は、金融市場では見方が「分かれている。外部からは、比較的平穏に動いているように見えるだろうが、水面下では、極めて大きな不透明な流れがある」としている。
チャールズ・シュワブのチーフ・インベストメント・ストラテジスト、リズ・アン・サンダーズ氏は、「攻撃的な相互関税政策が市場を混乱に貶めた。その後、強行姿勢が緩和されたことで、混乱からは脱したのが現在の相場だ」と評価している。
オプション市場では、S&P500指数が年内に下がる可能性を含んだ取引になっている。一方で、恐怖指数とも呼ばれるVIX指数は、4月に大きく上昇したものの、足元では落ち着きをとり戻り、当面は市場が平穏に動くとの投資家の見方を反映したものと解釈されている。 ヴィラー&カンパニーのパートナー、サンディー・ヴィラー氏は、「2025年下半期には、極めて厳しい状況が待ち受けているとみている」とした。
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