UAEのドバイ、09年の債務危機再来の危険性
- sigma tokyo
- 2020年4月24日
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アラブ首長国連邦のドバイが、再び財務危機に直面しかねない状態にある。2009年には、失業者が数万人単位にまで膨れ上がり、株価は半分にまで急降下した経緯があり、エコノミストは、同様あるいは当時を上回る危機にまで発展する危険性があるという。
今回の危機的な状況は、原油価格が大きく下げていることと、コロナ・ウィルスの世界的な拡大が影響している。UAEでは、8200人以上の感染者を出している。
英のコンサルタント会社、キャピタル・エコノミクスは、「ドバイは、中東と北アフリカ地域では最も重要な経済地域であり、経済的なダメージの観点からも、その重要性は高い」とした。
そのうえで、「(ウィルスの影響が)夏まで伸びるようであれば、今年のドバイ経済は、5〜6%のマイナス成長となるだろう」とした。
超高層ビルでは世界最高を誇り、最大規模のショッピングモールを有するドバイでは生活必需品を除く全てのビジネスは閉鎖されている。「これにより、ドバイ経済は大きく低迷することになる。したがって、政府関連企業は、債務返済が難しくなる」としている。
ドバイ政府関連投資企業、ドバイ・ワールドは、一部債務の支払い不能に陥り債務危機に陥った。キャピタル・エコノミクスの推計では、当時の未払い債務残高は889億ドル、あるいはドバイ国内総生産(GDP)の80%にも達した。
国際通貨基金(IMF)の推計によれば、2018年のドバイ・ワールド債務は603億ドルに達している。
ルネッサンス・キャピタルのグローバル・チーフ・エコノミスト、チャールズ・ロバートソン氏は、「ドバイの債務危機の話が出るのは、これが初めてではない。しかし、今回はかなり深刻な状態になる。今回はウィルス問題であり、輸送(空運、海運と陸運)や不動産の過剰供給、そして原油価格の低迷が根本だ」とした。
「この債務問題が現実化した場合、ドバイ政府が介入することは難しい。なぜならば、政府自体が債務を抱えている」とした。
ドバイ政府債務は2019年、GDPの110%に達している。
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