コロナ・ウィルスの金融・経済への悪影響、長期化する危険性は少ない
- sigma tokyo
- 2020年1月25日
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コロナ・ウィルスが拡大・蔓延しつつあることが中国金融市場に、今後も圧力をかけ続けると見られているものの、エコノミストは、センチメントに大きな影響が出るものの、実体経済や金融市場にはさほどではないと分析している。
ストラテジストは、これまで重症急性呼吸器症候群(SARS)が拡散した際には、中国とほかのアジア市場に悪影響が出たものの、騒動が鎮静化すると市場も反発した。
足元では、コロナ・ウィルスによる影響でアジア市場が軟調に推移するが、米国への影響度合いは薄く、むしろ投資家は、危機回避の目的から米債に資金を傾けている。その点からすれば、ウィルスの毒性や伝播力が想定しているよりも遥かに強力であれば、米市場へのインパクトは、マイナス方向でより大きくなると想定されている。
UBSのフロアー業務担当ディレクター、アート・カーシン氏は、「人口1100万人の都市(中国の武漢)が封鎖されたことには、極めてショッキングなことだ。大きな懸念が生まれるような状況だ。まだ、相場に影響を与える材料であることは事実だ」とした。
同氏は、ウィルスがより大きな規模で中国に拡大し、そして経済に悪影響を及ぼすようであれば、世界にも波及することが想定されるとしている。
ブリークリー・グローバル・アドバイザーズのチーフ・インベストメント・オフィサー、ピーター・ブックバー氏は、「同ウィルスに対し、世界は積極的に対応している。中国側も情報の透明性を計っている」とした。
SARS流行の際には、米株式市場が弱気相場から立ち直ったばかりだったが、2003年第1・四半期には下げに向かった。ブリークリー氏は、「2003年3月には前年の安値を試す展開となった。しかし、この下げが弱気相場の終わりだった」とした。
米国市場への影響は、中国と比較すると少なく、「来週のFRB(米連邦準備制度理事会、中央銀行に相当)の発表の方が、より大きな影響があるだろう」としている。
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