在庫の限界近い、原油価格は下げ圧力に=衛星写真分析アナリスト
- sigma tokyo
- 2020年4月25日
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衛星写真やデータなどを駆使するエネルギーアナリストは、原油在庫設備の状況から原油価格が引き続き下げ圧力にさらされる展開を予想している。
米生産者が大きく削減するか、あるいはそうした状況に追い込まれなければ価格安定は望めない。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国、いわゆるOPEC+(オペック・プラス)による協調生産削減が「歴史的な量」となってはいる。しかし、ウルサ・スペース・システムズのアナリスト、ジェフリー・クレイグ氏は、生産量削減が「需要減少分のごく一部に相当」するだけだと評価している。
「下げを誘発する次の材料は、実際に在庫余力がゼロになることだ。在庫余力を把握するには、米国以外は在庫データを公開していないため、衛星写真が必要だ」としている。
ウルサ以外に同様の衛星写真分析を手掛けているのは、カイロスとオービタル・インサイト。欧州宇宙機関(ESA)の「センティネル1号」、同「5号」の写真データを解析する、あるいは、合成開口レーダー(SAR)画像などから分析する。
クレイグ氏は、「衛星写真を使い、世界中のタンクを毎週チェックしている。貯蔵設備で見られることは、まさに原油市場で起きていることと一致する」とした。
カイロスのマーケット・ストラテジスト、テッド・ホール氏は、「世界のどの生産者にとっても生産を停止すべきだとのサインが出ている、まさにその価格水準にある」とした。
1カ月前と比較すると米原油生産は、日量1220万バレル縮小している。前月は、同1310万バレル。しかし、これは、減少する需要を補うには不十分だ。
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