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安心感が広がりつつある米株、今後は企業業績の内容次第

  • 執筆者の写真: sigma tokyo
    sigma tokyo
  • 2020年4月13日
  • 読了時間: 3分

足元の米株市場では、コロナ・ウィルスの経済的な影響が一定程度抑制可能だとの見方に安心感が広がりつつあるが、アナリストは、今後発表される大手企業の業績に、ウィルスがどこまで浸透しているか、見極める必要があるとしている。

モルガン・スタンレーのシニア・ポートフォリオ・マネージャー、アンドリュー・スリモン氏は、「下げリスクがあるとするもっとも大きな議論は、まさに決算発表が予定されているからだ」とした。

同氏によれば、多くの企業が足元の業績予想を大きく下方修正しているものの、2020年通年では依然として収益伸びが期待できるとしている。

ファクトセットによれば、2月28日時点で、S&P500指数採用企業の1株あたり利益(EPS)予想は184ドルであったが、4月入り後の予想では156ドルに下がっている。スリモン氏は、年末時点でのEPSを140ドルとしている。


足元の反発で、同指数は2800ポイント近くまで上昇、収益倍率では19.9倍にまで回復、ESは140ドルとなっている。過去5年の株価収益率は、平均16.7倍。

CFRAリサーチのチーフ・インベストメント・ストラテジスト、サム・ストーバル氏は、「歴史的には、リセッション(景気後退)時の株価収益倍率は12倍にまで落ち込んでいる。「投資家は、すでに最悪期を脱したとみているようだ」としている。

第2・四半期の成長減速のペースにはいくつかの議論があるものの、大きく低下するとの見方では一致している。たとえば、米連邦準備制度理事会(FRB、中央銀行に相当)のバーナンキ元議長(中銀総裁に相当)は、同期の米経済が30%ものマイナス成長に落ち込むと予想している。

投資家の注目的は、コロナ・ウィルスの状況にある。

UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの株式ストラテジスト、クラウディア・パンセーリ氏は、「4月中旬までにウィルス感染がピークアウトするとし、外出禁止が5月中旬に解除される」と仮定すると、「今年下期の収益は回復し、その収益モメンタムが2021年も継続する」としている。

しかし、全面的に明るいばかりではない。

RBCキャピタル・マーケッツの米株ストラテジー責任者、ロリー・カルバジーナ氏は、今年年末のS&P500指数予想値を3297ポイントから2750に下方修正している。また、指数採用銘柄のEPS予想値も、135ドルひ引き下げている。

同氏は、決算発表シーズンが始まれば、「一段の大きな業績下方修正があり得る」とした。

しかし同氏は、同指数採用企業の2021年EPSが153ドルに回復するとしている。

JPモルガンのミスラフ・マテーカ氏は、投資家に経済回復が、長期、かつゆっくりとしたものになると警告している。

強気派は、FRBと米議会による類をみない金融・財政刺激策が歴史的な株価収益倍率と比較することは難しいとしている。総額では2兆3000億ドル規模の刺激策が打ち出されている。

ストーバル氏は、中銀が積極的に施策を打ち出している際には株価が上昇する傾向があるとしたうえで、「投資家は、あらためてFRBには抵抗すべきではないとの思いを抱いている。FRBは、これまでに試したやり方ではない方法を採用している」とした。

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