現在の危機は「別物」、目標を明確にした財政策が必要=ノーベル経済学受賞教授
- sigma tokyo
- 2020年3月18日
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ノーベル経済学を受賞したコロンビア大のジョセフ・スティグリッツ氏は、コロナ・ウィルスによる経済的な悪影響回避に向けて米連邦準備制度理事会(FRB、中央銀行に相当)が十分な対応をしていないことは「明らか」だとの見解を示した。
今回の問題の「不明確な部分が多いこと、多くの人々の収入が縮小していることなどを考慮すると、FRBは金融市場を安定させる能力を有しているが、未だにできていない」としている。
FRBは、緊急利下げや流動性確保に向けた債券購入プログラムなどを導入し、市場安定化に務めているが、週明け16日には、1987年10月のブラック・マンデー、1929年10月に次ぐ史上3番目に大きな下げを記録していた。
これまでのFRBの施策抜きでは、金融機関が現状よりもさらに厳しい環境にさらされていた可能性はあるものの、「株式市場の安定化は、なし得ていない」とした。同氏は、世界銀行のチーフエコノミストを務めていた経験もある。
問題は、「通常の危機とは全く異なることにある。需要が減退した、という単純な問題ではない。ウィルス拡散により、人々の活動が停滞している。ニューヨークでは、レストランが閉鎖されている。(例えば人々が外食に出かける)需要が出てこければ、問題の解決にはならない」とした。
同氏は、市民と企業の立ち直りを支援するには、目標を定めた施策が適切だと指摘している。
「明らかに、目的を定めた財政政策が求められている。金融政策の効果には限界があることは、これまで長らく認識されてきたことだ」としている。
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