金、ポートフォリオの10%程度とすべき=「金のゴッドファザー」ミリング・スタンレー氏
- sigma tokyo
- 2020年4月3日
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「金(ゴールド)のゴッドファザー」とも称されるジョージ・ミリング・スタンレー氏は、コロナ・ウィルスの拡散など不透明な状況にあって、ポートフォリオの10%をヘッジ(保険)目的で金に振り向けるべきだと推奨している。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズのチーフ・ゴールド・ストラテジストを務める同氏のインタビュー1問1答は、以下の通り。
Q:金は、現物として世界の投資家の間を移動するコモディティ(商品)だ。コロナ・ウィルスがどのように現物供給に影響を与えるか?
A:供給には一定の影響が出ている。3大加工拠点であるスイスとイタリアの国境地点にある。すでに国境が閉鎖されており、これがどこまで長期化するかは不明だ。
一部の金鉱山会社は、業績見通しだけでなく製造予想も下方修正している。したがって、一定程度の供給問題は発生するだろう。仮に、供給に障害が起き、需要が変わらないとすれば、価格は上昇する。
Q:空運業界が運航停止に追い込まれている現状にあって、金輸送には問題は生じないか?
A:現時点では、その点での問題は認識していない。しかし、今後は、そうした問題は起き得る。
Q:需要サイドは、どうだろうか?インドと中国は、2大需要国だ。
A:確かにその通りだ。詳細な数字はないが、インドでは封鎖状態にあり、需要が低下すると見込んでいる。中国は、ウィルスの最悪期から脱しつつあるが、需要は低まると見込んでおり、米国でも同様だ。
Q:今後数カ月の価格動向は
A:目先は弱基調で下げ続けるだろう。宝飾需要は減退するが、投資需要はかなり高まると予想している。2008年の世界金融危機の際には、まったく同様の動きがみられた。金現物と連動する上場投資信託(ETF)にかなりの資金流入がみられる。先週だけでも10憶ドル、年初来では38億ドルの資金が金ETFに流れ込んでいる。
コロナ・ウィルスの問題は依然続いており、英国の欧州連合(EU)離脱問題も決着していない。朝鮮半島も不安定なままだ。投資家センチメントは、「弱気相場入りしたのか」から「弱気相場はどこまで続くのか」に変わっている。こうしたすべての材料は、金にとってプラスだ。
Q:ポートフォリオには、金をどの程度含めるべきか
A:それぞれのリスク許容度によるが、2~10%程度とすべきだ。
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